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 フットサルプレーヤーズボイス  3月2日掲載
 カフリンガ東久留米 垣本右近選手インタビュー

 

 今期、関東リーグを初優勝で飾ったカフリンガ東久留米。
 その中心選手で代表でもある柿本右近選手。
 フットサルウェアのモデルでもあるカリスマの素顔は情熱と行動力に満ちたものだった。
 関東代表としてFリーグ勢へ挑む全日本選手権を前に、
 フットサルへの思いと生き方をお聞きすることが出来た。

 


 Q.関東リーグ優勝おめでとうございます。年末に優勝が決まってしばらく経ちましたが
  優勝した時の喜びを教えていただけますか?


 カフリンガ結成から6年が経ったのですが、創設時からいるメンバーが今や4人しか残っていないんです。
 その間に色々な理由で辞めていく選手がいて、その人達のためにも優勝したいと思っていました。
 それも含めて、いろいろな思いが込み上げてきました。
 今年のリーグは厳しい戦いでしたが序盤から勝ち点をうまく積み重ねる事が出来ました。
 みんな社会人なので練習に来れない人が多かったり、怪我人が多かったり、
 ひどい時は6人なんて時もあり、シーズン中も、チーム状況が苦しい時もありました。
 残り2試合でリーグは1ヶ月半の中断に入ったのですが、そこでもう一度みんなの意識統一を図ろうと
 監督山本、キャプテン夏野と3人で話し合って、フットサル以外でみんなで同じ時間を過ごす事にしました。
 そこからまた皆で同じ方向に向かうことが出来ました。

  

 優勝が決まる最終戦にはものすごく多くのサポータが来てくれました。
 背中を後押ししてくれたという感覚がものすごくあって、それが決勝ゴールに繋がったんだと思います。
 
 何日か経って選手同士で話をしたのですが、人生で嬉し泣きをしたのが初めて という選手がいっぱいいました。
 負けて悔し泣きはあってもうれし泣きは初めての経験。
 勝って泣くってことはなかなか無いですからね。
 30才前後の選手が多いんですが半分以上の選手が男泣きしていました。
 いままでにない感動を味わえたと言っています。

  


 Q.2005年にチームを立ち上げて5年。東京都リーグから始まり、優勝、昇格を繰り返して、
  結果だけをみれば順調に来たように思いますが、これまで苦労したことなどはありましたか?


 いままでで一番悔しかったことは、2006年山梨で開催された関東リーグ参入戦で敗れたこと。
 東京都リーグ代表として出場したんですけど、柏RAYOに負けてしまい関東リーグに昇格できませんでした。
 いままでのフットサル人生の中でも一番というくらい悔しくて・・・
 でもそれがあったからこそカフリンガというチームは1つになり、たくましくなる事が出来ました。
 何かあればあの時のことを思い出して頑張ろうよ、と。
 
 カフリンガは仕事や家庭を大切にするチームです。
 仕事で練習に来れない人は毎回いっぱいいますし、子どもの学校行事で公式戦に来れない人もいます。
 でも誰一人文句は言いません。
 その中でフットサルを楽しむ。
 もちろん勝つことが最優先事項です。
 どんなに内容が悪くても、雰囲気が悪くても試合勝つことが出来るとみんなが前向きな気持ちになることが出来ます。

 今ある環境の中でフットサルの優先順位をあげて楽しもう、というカフリンガのモットーです。
 カフリンガは夜の10時から練習をしているのですが、
 仕事を終えて、家族がいる人は家族とご飯食べたり子供をお風呂入れたりして
 そんな疲れた身体でも練習に来ようと思うのは、やっぱりここが楽しいからだと思う。
 そういう場を作るまでは大変でしたけど、スポンサーやスタッフ、理解ある家族、
 そして経験豊富な選手たちみんなでカフリンガというチーム作りあげてきました。


  取材日も、味の素スタジアムのフットサルプラザで夜10時からの練習でした。
  


 Q.チームを率いてきて、これまでで一番嬉しかったことは?

 今期の優勝以前では、2007年度関東リーグ2部の最終戦に勝って優勝を決めた試合ですね。
 寒川体育館で行われたセニュールイーグル戦。
 引き分けでも優勝だったんですけど、1-1で向かえた残り2分。
 相手も勝てば昇格がかかっていたので、パワープレーをしてきました。
 負けてしまえばカフリンガの昇格はありませんでしたから必死で守りました。
 残り1分キャプテンの橋田がゴールを決めて。
 今までの人生で一番うれしかったゴールですね。最高でした。


 Q.垣本右近選手個人としてのフットサル観やこれからの目標を教えて下さい。

 今年カフリンガでも引退する選手もいますけど、僕個人としては
 アマチュアであれば引退とかははっきり決めなくてもいいんじゃないかな、と考えているんです。
 時間があれば練習に参加すればいいし、忙しくて練習に出れなければコンディション的には試合に出れないけれど
 仕事も家族もあるなかで30分でもボールを蹴ることっていうのが凄く大事だと思うんです。
 試合には出れないかもしれないけど、家族に迷惑を掛けることもあるかもしれないけど。
 やっぱりみんなと顔を合わせてボールを蹴りたいですからね。
 ボールを蹴れることで家族に優しく出来る気持ちが生まれるってこともあります。
 僕個人としては引退など決めないでいつでも参加できるようなチームにしたいと思っています。
 ちょうど先日の練習でコーチの橋田が3ヶ月ぶりくらいに遊びに来ました。
 最初から最後まで練習をこなしてましたよ。
 うちはそれでいいんです。


 Q.それはカフリンガがそういったチームでありたい、ということであると思うのですが
  それがもっと広がればいいと考えているのですか?


 フットサルを競技としてやっているチームは難しい面もあると思います。
 でもやっぱりこの先2年、3年・・・
 もっと先は50歳・60歳になっても「生涯スポーツ」としてやっていける環境を僕は作っていきたいな、と思っています。
 
 カカフリンガは関東リーグに参加して競技として取り組んでいる面が強いんですけど
 「東久留米市」という枠でいえば、いつでも誰でもフットサルを出来るという取り組みをしています。
 月に2回ホームコート東久留米スポーツセンターで大人対象のクリニックを開催したり、
 ジュニアスクールから60歳でも参加できるシニアチームもあります。
 日曜日に金山町のグランドに行けば下は高校生から上は60歳まで誰でもボールを蹴る事ができます。
 東久留米市にはそういう環境があります。
 まだそれほど知られてないんですけどね。
 「東久留米市って街はいくつになってもボール蹴れる町なんだよ」ってことを広めていきたいと思っています。
 フットサルの他にも東京都サッカー1部リーグに所属しているFCフエンテ東久留米というチームもあります。
 ホーム東久留米総合高校で行われるリーグ戦は全て午後6時半キックオフにして小学生も見に来れるような環境を作りました。
 東久留米市サッカー協会と協力して継続して色々な活動していきます。


 Q.関東リーグやその下のカテゴリーが発展していくために、
  もっとこうなればいい、と思うことがあれば教えてください。


 僕らはFリーグのチームと練習試合をする機会があってそれがモチベーションになります。
 逆に僕らは下のカテゴリのチームとどんどん練習試合を行っています。
 そういう交流がもっと盛んになると下のカテゴリーのモチベーションも上がりますし、経験になり活性化すると思います。
 練習試合も皆に見てもらえたりすると良いんですけどね。
 練習試合の方が変に守りに入ったりしないので内容が面白かったりしますし。(笑)


 Q.関東リーグは縦に早くて試合が面白いという印象があります。Fリーグとの違いをどう感じていますか?

 まず、Fリーグのほうが戦術も技術もスピードもパワーも全てにおいて差があります。
 それが大前提でなんですけど
 関東リーグのほうがチームの色がとりわけ出ているんじゃないでしょうか。
 フウガだったら前プレからアグレッシブなフットサルですとか、
 カフリンガならならカウンターだったりとか、FIREFOXなら堅守だったりと。
 地域リーグレベルだと指導者の不在や練習時間が短いなどからトーテル的にレベルアップを計るというよりも
 何かに絞って練習をした方が効率が良いというのも1つの理由かもしれません。
 カフリンガの場合は守備からの攻撃の早さが売りです。


 Q.フットサルを趣味や競技として楽しまれている方にアドバイスをお願いします。

 フットサルってボーリングに良く似てると思うんです。
 競技として観戦するよりも、みんなで集まって楽しくプレイをしている。
 試合を見るのも楽しいし勉強になるのですが、みんなで集まってでも良いし、
 選手のクリニックなどに参加するでも良いし、
 ボールを蹴る環境を作って欲しいなと思います。

 あと、自分もそうなんですけど、サッカーやフットサルに行くというと奥さんとかあまりいい顔しないじゃないですか~。
 それを解消したいのもあって、いま僕は奥さん向けのクリニックをやっているんです。
 サッカーやフットサル仲間の奥さんや彼女を一同に集めて練習をしています。
 これがまた凄い好評で、旦那さんたちは子守やボール拾い、奥さんは日頃の運動不足解消と。
 月1回の活動なんですかもう1年3ヶ月も経ちました。
 なにより奥さんのフットボールへの理解が深まるので、旦那さんが喜ぶんですよね。
 僕自身も奥さんがフットボールに詳しくなることで家でフットサルの話も出来ますし、
 最近では「あなたのプレーは・・・」ってダメ出しされたりしてます。(笑)
 この活動は凄くいいと思うんです。フットサルの普及にとても効果的だと思います。


  

 Q.これから全日本選手権、地域チャンピオンズリーグを控えていますが、
  意気込みを聞かせてください。それぞれの大会の目標は?


 もともとの今期始まる前に3つの目標を立てました。関東リーグ優勝、全日本選手権出場、地域チャンピオンズリーグ優勝。
 いまは全日本選手権で代々木に返ってくること(1次ラウンド突破)を第一の目標にしています
 3勝できれば良いんですが、ワイルドカード(2位の中から勝点上位2チームが勝ち上がる)も含めて
 計算すると2勝1分が必要と思っていて、初日が北海道で、最低でも勝点1が必要なので100%出しきって
 次が関西リーグ王者のS.W.H.でこれを上手く乗り切って最終日の大分までつなげたいです。
 勝つことも大切ですがガチンコの勝負でどこまでFリーグのチームと戦えるかチャレンジしてきたいです。


 Q.カフリンガの来期以降の目標を教えてください。

 まずはチームとしては関東リーグ2連覇が第一の目標です。
 そしてカフリンガというチームをたくさんの方に知ってもらう事。
 そしてカフリンガがたくさんの人にボールを蹴る環境を整え、フットサルの楽しさを教えていきたいと思います。

 そしてそれ以降は東久留米で育った選手・子供達が
 カフリンガに入りたいと思うチームを作りたいです。
 「あのチームおっさんが多いのに強くない?」なんてチームを作りたいですね。
 そんな風にカフリンガが広く認知されていけばいいです。
 いまも東久留米スポーツセンターで開催される関東リーグの試合がある時はキャパが小さい(500人)のもあって満員になります。
 カフリンガはホームに帰ってくればたくさんのサポーターがいる。
 ホームゲームは絶対に負けない!なんて環境を作っていきたいです。
 

 Q.最後にこれを見ている垣本選手のファンに一言お願いします。

 フットサルはサッカーと違って選手とサポーターの距離が近いスポーツだと思います。
 試合会場であったら是非声をかけて欲しいですし、僕がやっているクリニックにも是非来て欲しいです。
 週1回定期的にクリニックに参加する事で生活にリズムが生まれますし、
 着用するウェアのファッション性も楽しんでもらいたいです。
 もちろんその時はSVOLMEで~(笑)
 ボールを蹴って汗をかくことで気持ちが晴れる。
 クリニックで楽しんでリフレッシュして帰ってもらえればな、って思っています。

 また是非カフリンガ東久留米の応援もよろしくお願いします!!


  取材後の練習では東京都1部リーグ準優勝のcamisaと練習試合を行ったカフリンガ東久留米。
  全日本選手権での1次ラウンド突破、チャンピンズリーグでの優勝を期待しています。
  
                    (取材協力:ミズノフットサルプラザ味の素スタジアム)


  カフリンガ東久留米の全日本選手権1次ラウンドは神戸グリーンアリーナで3試合行われます。
  3月4日(金)11:00 対エスポラーダ北海道 5日(土)11:00 対S.W.H. 6日(日)10:00 対バサジィ大分
  入場無料です。観戦よろしくお願い致します。

  ※ラブフットボールでは1次ラウンド2日目から注目カードを即日、写真付き簡易レポートを掲載いたします。


 
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