ウイダーFリーグ2013-2014
第33節 2月2日 町田市立総合体育館
ぺスカドーラ町田 vs デウソン神戸
同じ勝点26で後期3位を争う好調な両チーム。今シーズンこれまでの対戦は2戦2分で勝負がついていない。
町田はプレーオフポイントが現在4位で出場圏内ながら、大阪、府中、湘南と僅差で負けられない。
さらに町田はホーム最終戦。選手たちはブログなどで
「会場を黄色に染めて声援を送ってほしい」「皆さんの力をかしてほしい」と呼びかけ、
会場には今季最多、1,909人もの観客が集まった。
町田は2009-2010年シーズンに準優勝、このシーズンにホームゲーム無敗という記録を作り、
「会場の一体感が町田の勝利を後押しし、ホームゲーム無敗という記録につながった。」とも言われた。
この日の会場は、試合前からその時を思い出させるような雰囲気に包まれていた。
癌を克服しピッチに帰ってきた神戸鈴村選手に、町田を代表し甲斐選手から花束が贈られる。
引き分けを挟んで3連勝中。神戸先発はGK冨金原、鈴村、渡井、西谷、相井。
町田先発はGKイゴール、金山、滝田、永島、中井。森谷は累積で出場停止。
神戸も僅かだがまだプレーオフの可能性があり、もちろん後期3位争いの直接対決でもある。負けられない。
神戸ボールでキックオフ。
開始1分24秒、神戸最初のチャンス。
コーナーキックから鈴村のシュートがこぼれたところを西谷が押し込み先制点を奪う。0-1。
序盤は神戸が優勢。
町田セカンドセット、出場停止の森谷に代わってピヴォに入った甲斐が反撃を試みる。
反転シュートがGK冨金原に弾かれたところを拾った横江のシュートは惜しくも枠を外れる。
41歳のベテラン甲斐は多くのチャンスを作った。
「甲斐にボールが収まり、そこから選手が入ってきてシュートを打つ。今日が一番機能していた。」(町田関野監督)
神戸も追加点を狙う。
左サイド西谷が折り返して中央からのシュートはGKイゴールが何とかキャッチ。
さらに神戸が攻める。
14分、神戸西谷を引っ張り、甲斐にイエローカード。
山蔦のシュートもGKイゴールがセーブ。
前半は神戸がやや優勢ながら、僅差の0-1で終える。
ハーフタイム。
後半、町田は前半と同じメンバー、神戸は、GK冨金原、鈴村、岡崎、須藤、山蔦でスタート。
1点ビハインドの町田が攻めに出る。
後半2分、町田中井のシュートをカットした神戸岡崎のカウンター↓
岡崎のパスに飛び込んだ鈴村のシュートはイゴールがセーブ。
その直後、町田篠崎が左サイドで胸トラップからシュート↓
甲斐も詰めていたが、ボールは逆サイドへ抜けていく。
23分、町田横江からゴール前の篠崎へのパス↓
これを神戸相井がカットしてカウンターを仕掛け↓
パスを受けた渡井がシュートを決める!
神戸追加点。0-2。
まだ時間はあるがリードを広げられた町田はさらに攻撃的になる。
26分、町田中井がヒールで落としたボールを、正面から永島がシュート↓
決まって、1-2と追い上げる。
アシストの中井と抱き合う永島。
なお町田が攻める。1点差となり競り合いが激しくなる。
29分、町田はゴール正面でのフリーキック。滝田のシュートに金山が頭で合わせゴールネットを揺らす!
2-2、ホーム最終戦でプレーオフのかかる町田が2点差から追いつく。会場も大興奮。
神戸もまだプレーオフと後期3位がかかっている。気持ちの入った反撃を見せる。
残り7分を切り神戸がタイムアウト。鈴村がゴールキーパーとなりパワープレーを開始する。
残り5分、パワープレーに出ている神戸が5ファール。
残り4分、神戸6ファール目。町田に第2PKを献上してしまう。
キッカーは横江。
見事決めて町田逆転。3-2。
大入りの会場は大歓声に包まれる!
残り時間は4分半。神戸はパワープレーを継続して同点を狙う。
神戸の波状攻撃に耐える町田。
残り2分46秒、神戸原田のヒールシュートを止めたイゴールが即ロングシュート↓
これが決まって4-2!町田が大きく勝利に近づく。
「まさにホーム、という雰囲気に押され、感激しながらプレーしていた。(イゴールのヒーローインタビューより)」
さらに直後、サイドでボールを奪って無人のゴールへ流し込んだ藤井の追加点で5-2。
会場のボルテージは最高潮!
神戸も最後まで戦う姿勢を見せる。
残り3秒、神戸西谷が1点返すが、時すでに遅し。
試合終了!5-3、町田が終盤で大逆転勝利を飾る。
町田の勝利インタビュー。だがいつもと違う。選手も会場も特別な感動に包まれていた。
関野監督「0-2をひっくり返すことができたのは皆さんの声援のおかげ。」と大観衆に感謝の気持ちを述べ、
「必ずタイトルを持ち帰ります!」と力強く語った。
試合後、町田サポーターの一人からお話が聞けた。
「2007年にFリーグが開幕してから180を超える試合を様々な会場で見てきたが、
今まで見たことがないような一体感だった。会場が一つとなりチームを後押しする、
これぞ『ホームゲーム』という試合だった。今日のような雰囲気を毎試合作り出すことができれば、
間違いなく町田は日本一のチームになるだろう、と感じた。」
あと3試合。まだぎりぎりの戦いが続くが、勝点的にも精神的にもプレーオフに大きく近づく町田の一勝だった。
神戸・小川監督のコメント
非常に残念な敗戦になった。選手は本当によく走ってくれて、ディフェンスのところで我慢しながら、先に点を取ることができ、そこまでは非常に良かったと思う。後半は逃げ切るというよりも、受けに回らずにというところは選手たちと話をして、
しかし追いつかれて。僕らは上にいかなければいけないと思っていて「勝ちたい」というのがあったので、少し長い時間パワープレーを行なった。結果的にやられてしまったが、崩すところまでは良い形ができ、流れの中でもチャンスはいくつかあったので、そこをしっかり決めていければ相手の気持ちを折ることができたのかな、と思う。
ただ、ここで僕らは終わりではないので、この悔しさを忘れずに、また次節すぐに町田と試合ができるし、しっかり勝ちきって最後まで望みをつなぎたいと思う。すぐに切り替えるというのは難しいが、しっかりと切り替えて次の試合では必ず勝点3を奪い返して、しっかりと並びたいと思う。
Q.パワープレーはリスクが大きいが、それでもあえてパワープレーに出たのはそれほど勝利が欲しかったということですか?
A.そうですね。僕らとしては4試合全部勝つつもりでいたので、パワープレーを少し早く始めて、その中で相手の出方を見ながらプレーすることができる選手たちだと思っているので、指示しました。そこで点を取ることが出来れば、逆に町田もパワープレーをしてきたと思うので、そこでしっかり守る、というプランは自分の中でありましたし、自信もありました。なので勝点3を取るための選択でした。。
神戸キャプテン西谷選手
両チーム、プレーオフ進出をかけて戦う気持ちの面で町田に負けないように、と皆で話して試合に入った。
その気持ちの面では負けてなかったと思うし、自信を持って戦えていたと思う。
失点の場面は、パワープレーでリスクをかけて仕掛けたので仕方がないと思うが、会場の雰囲気であったり、町田の空気になっていたところで失点してしまったことが負けに繋がったのかなと思う。でもまだまだ(プレーオフも)分からないですし、一つでも順位を上げて可能性を広げていくためにも、また来週町田と戦うので、この借りを返して、自分たちの可能性を信じて諦めないでやっていきたいと思う。
町田:関野監督
非常に厳しい試合だったが、その中で本当にこれ以上ない環境・会場の雰囲気で戦わせてもらった。
選手が最後の最後まで身を粉にしてチームが勝つために頑張れたのも、今日の会場の雰囲気を作ってくれた皆さんのお蔭だと思う。今回は選手たちがお客さんへの呼びかけもしましたし、フロントのここまでの努力があって、このような素晴らしいホーム最終戦を戦うことができたと思う。全ての人に感謝したいゲームだった。
内容的には、前半は、僕らのポゼッションも取れていたし、ある程度シュートで終わることができていたが、こういう試合では有りがちな攻撃にウエイトを置きすぎた結果カウンターで点を取られてしまう、という良くない流れだった。しかし、後半は選しっかりディフェンスから入ってペースを一つ一つ重ねていけば、必ず自分たちのゲームになる、と言ったことを選手たちは忠実に、しっかり切り替えてくれた。これは我慢して戦えた結果だと思う。
まだこれから先、厳しい試合が続くと思うが、今日のような負けてもおかしくない試合を、結果逆転で勝つということができたことは、チームの成長でもあると思うし、選手個々の成長にもつながると思う。前節の横江の言葉を借りるなら「一つまた山を越えた」と思う。ただ、残り3試合予断を許さない試合が残っているので、しっかり残り3試合勝って必ずプレーオフに行けるようにしたいと思う。
Q.甲斐選手がピヴォに入っっていましたね。
A.今までもピヴォがいない時に甲斐さんにピヴォに入ってもらっていたが、今日は一番機能していた。甲斐にボールが収まり、そこから2枚目、3枚目の選手が入ってきてシュートを打つ。残念ながら、そのパターンで点は取れなかったが、あれだけのバリエーションを作れるということは、この終盤に来て新たな発見だった。神戸のディフェンスが中を切るディフェンスだったので、四隅を取ること、甲斐さんがフェイントをかけて上手くボールをもらうことができて、ラインを上げることができた。今後もチームの戦術として使っていくことができると思った。非常に収穫のある試合だった。
町田:横江キャプテン
本当に難しく、しんどい試合だった。この結果に対しては個人としても満足している。もちろんまだ課題であったり向上する余地だったりはあるが、今日に限っては勝点3を取ることが一番大事だと思っていた。先制点を奪われ、後半も先に失点しまって、メンタル的にも本当にきつかったが、あの会場を見たら心を折るわけにはいかなし、今日に限っては集まってくださった皆さんに感謝の気持ちしかない。
これで大きく前進できたと思う。次勝てば、もっとプレーオフに近づくと思う。神戸は本当によく走るし一人一人の個人スキルも高く、本当に良いチームだと思う。神戸も次ホームで負けるわけにはいかない、と思っているはず。次の試合が今シーズンの最後の山になる可能性もあると思うので、次の試合に向けて良い準備をして、良い結果を出せるようにしたい。
Q.逆転の第2PKは狙い通りでしたか?
A.絶対に決めないといけないシーンでは、今シーズン自分でも「強いな」と思っている。ベンチから送り出されたとき、ボールを受け取って、中の選手ともタッチして「レオ頼んだぞ。落ち着いて。」とみんなが声をかけてくれる時にはもう「間違いなく入るだろうな」という心境にあった。
Q.今日の試合はブログなどで呼びかけた通り、会場が真っ黄色になって、1900人を超える観客が集まりました。
A.まだまだフットサルはマイナースポーツといわれる部分はあるが、こういう環境・こういう会場でプレーできるというのは選手にとって本当に幸せなこと。こういう舞台で戦えて、こういう結果を出したということが、選手としてフットサルを続けていく理由の一つだと思うので、今日は本当に最高に気持ちよかったです。
残り3節、名古屋、大分のプレーオフ出場が決まり、浦安も有力な状況。
町田は後期3位で、年間総合のプレーオフポイントは12で出場圏内の4位。
4位を競っているプレーオフポイント11の大阪が順位を上げるには2勝1分以上が必要。
また町田がこのまま後期3位をキープすれば、ポイント10の府中と湘南は順位を2つ上げなければならない。
町田の残り3試合の対戦相手は神戸/浦安/浜松。
勝点的に2つ順位を上げる可能性の高い府中の残り2試合は神戸/大阪。
湘南の残り2試合は大分/名古屋。大阪の残り3試合は北海道/名古屋/府中。
ポイント9の神戸の残り3試合は町田/府中/北海道です。
町田と神戸は第34節(2月11日14:00-舞洲アリーナ)、再戦します。 FリーグHP(試合日程)
順位 | チーム | 勝点 | 得失 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 名古屋 オーシャンズ |
30 | +59 | ||
2 | バサジィ大分 | 26 | +34 | ||
3 | フウガドール すみだ |
23 | +4 | ||
4 | 湘南ベルマーレ | 18 | +6 | ||
5 | バルドラール 浦安 |
18 | +1 | ||
6 | シュライカー 大阪 |
18 | -1 | ||
7 | ペスカドーラ 町田 |
18 | -3 | ||
8 | 立川府中 アスレティックFC |
16 | +1 | ||
9 | ヴォスクオーレ 仙台 |
10 | -17 | ||
10 | Fリーグ選抜 | 7 | -21 | ||
11 | エスポラーダ 北海道 |
6 | -21 | ||
12 | ボアルース長野 | 1 | -42 |
2019年第11節終了時