第22回全日本選手権
 決勝 3月20日 代々木第一体育館


  フウガドールすみだ 2-7 シュライカー大阪

「最後は地力の差を見せた大阪が優勝」

 勝つのは優勝候補筆頭の大阪か、それとも勢いに乗るすみだか。
 これまですみだは、全日本選手権で幾度となくアップセットを見せてきていることを会場の誰もが知っている。
 例によって試合前の円陣で会場を味方につけたすみだが、試合序盤は予想外の好スタートをする。

 まずこの試合、大阪にとって悪い予感が当たった。
 前の2試合で比較的楽な展開で勝ち進んだ大阪は、案の定この試合の入りが悪かった。
 それに対し、すみだはオールコートプレスに近い形で前からプレスをかける。
 これに面食らった大阪に対し、すみだは2分、左サイドの西谷が逆サイドへパスを出し自らも走り込む。
 これを受けた宮崎がさらに逆サイドに折り返す。完全にボールウォッチャーになっていた大阪守備陣に対し、
 ここにフリーで走り込んだ西谷が決め先制する。

 これで勢いに乗ったすみだはさらに30秒後、大阪のGKがゴールを空け右サイドに配置し数的優位を作る。
 ややリスキーなキックインに対し、すみだはボールを持ったGK柿原を右サイドハーフウェー付近まで引き付け、
 さらに越えた所で西谷と宮崎で挟み込む。これでボールを奪うと、
 宮崎が無人のゴールへ反転シュートを蹴り込み一気に2点差をつける。

 だが、大阪は慌てなかった。浮足立つ選手達に対し、ベンチはすかさずタイムアウトを取り一呼吸入れ、
 木暮監督が選手達を一喝する。これで目が覚めたか、ここから徐々に大阪が盛り返し始める。

 3分、左サイドでボールを受けたアルトゥールは、マッチアップしたボラが足を滑らせた一瞬の隙を突き、
 カットインからゴールを奪うと、さらに開始6分で早くもすみだが5ファールを取られる。
 防戦一方となったすみだに対し、9分、第2PKを得た大阪はアルトゥールが同点ゴールを奪い2-2。
 さらに17分。再度得た第2PKをアルトゥールがきっちりと決め、2-3と逆転して前半を終えた。<↓後半記事へ続く> 

(記事:南 英博)    

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<後半>
 前半のうちの大阪の逆転で試合の大勢は決したといっても過言ではなかった。
 すみだは前半非常に飛ばしており、加えて大阪は元来後半強いチームであるだけに、
 悪くてもすみはリードして前半を終えたかったはずである。

 案の定、後半は大阪のゲームとなる。

 23分、自陣でボラのボールを奪った小曽戸がカウンターからすぐにチアゴへパスを出すと、
 これをチアゴが冷静に決め2-4とする。
 29分にも左サイドでアルトゥール、小曽戸とつなぎ、最後はチアゴが反転シュートを決め2-5。
 すみだも33分GKに稲葉を据えたパワープレーから活路を見出そうとするが、
 38分、39分とパワープレー返しからアルトゥール、チアゴに得点を与えてしまう。
 結局終わってみれば2-7という大さで大阪がすみだに完勝し優勝を飾った。
 <↓総評へ続く>

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<表彰式>
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(写真:金子保子 中根高磁)    
<総評>
 この試合すみだは、分かっていても止められないアルトゥール-チアゴのラインを消すべく、
 ボールホルダーの奥まで激しくプレスをかけたが、前半早い時間でファールが貯まったのは痛かった。
 後半は、前日、前々日とハードな2試合をこなしたこともあり、大阪とのコンディションの差が差になって現れてしまった。
 また、この日2ndセットに入ったボラが大事な失点にことごとく絡むなどやや誤算。
 頼みの太見も怪我で1分も出場できなかった。最後の最後で太見・大黒不在時の不安が露呈してしまった形だ。
 太見はこの試合を最後に引退する。須賀監督も既に来季を見越してのチーム作りをしており、
 今大会は清水、田村、栗本など若手に成長の跡が見られたのは今後へ向けて明るい話題といえる。
 特にこの試合は得点も奪えず、余分なファールを取られるなどやや若さが出てしまった清水だが、
 そのポテンシャルは計り知れず、彼が来季どれだけシーズンを通して安定し、
 チームを引っ張る存在となれるかが、チームの浮沈を握る鍵であろう。

 一方の大阪は、アルトゥール-チアゴのラインが警戒されれば、
 小曽戸を経由してチアゴへボールをつなぎ、結局アルトゥール、チアゴが仕事をする。
 今大会はやや目立てなかったが、ヴィニシウスも途中から出てきて結果を出す。
 小曽戸や佐藤などの日本人も、外国人たちの潤滑油となりながら良い所で仕事をする。
 リーグ戦同様、今大会も大人の戦いに終始しながら、他を圧倒して頂点まで登り詰めた。
 名古屋も来季に向けてこのまま黙ってはいないだろうが、
 現状では長いリーグ戦で大阪を上回るチームは見当たらない。
 それを3戦連続の快勝で大阪が改めて印象付け、今大会を締めくくった。

(記事:南 英博)    

 







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Fリーグ順位表

順位 チーム 勝点 得失
1 → team logo 名古屋
オーシャンズ
30 +59
2 → team logo バサジィ大分 26 +34
3 → team logo フウガドール
すみだ
23 +4
4 → team logo 湘南ベルマーレ 18 +6
5 → team logo バルドラール
浦安
18 +1
6 → team logo シュライカー
大阪
18 -1
7 → team logo ペスカドーラ
町田
18 -3
8 → team logo 立川府中
アスレティックFC
16 +1
9 → team logo ヴォスクオーレ
仙台
10 -17
10 → team logo Fリーグ選抜 7 -21
11 → team logo エスポラーダ
北海道
6 -21
12 → team logo ボアルース長野 1 -42

2019年第11節終了時

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