AFCアジアフットサル選手権2012 UAE 5月27日
予選リーグ グループB 日本vs台湾
グループリーグ首位通過がすでに決まっている日本はグループリーグ最終戦で台湾と対戦した。
完全に自陣に退き、カウンターだけを狙う台湾に対して、日本はゲームをうまく進めることができない。6分に日本はコーナーキックを奪われると、そのまま台湾にカウンターを許し、先制点を決められる。
地力に勝る日本はボールをキープし、攻撃を仕掛け、何度か決定的なチャンスを掴むがゴールを決めきることができない。
スコアボードが動いたのは11分だった。コーナーから最後は逸見勝利ラファエルが強烈なシュートを叩きこみ、同点とする。
同点にした日本はさらに攻め立てるが、台湾の極端に退いたディフェンスを崩すことができない。典型的なピヴォである星翔太の不在がピッチに色濃く反映されていた。
日本は前半終盤から積極的なプレスを仕掛けるラインを約3~5メートル下げる。すると台湾はボールをただ前に蹴り出すだけで、これまでのように効果的なカウンターを繰り出すことができなくなった。後方にスペースがないからだ。
後半、日本は早々に逆転をゴールを奪った。コーナーから決めたのはまた逸見だった。セットプレーには好不調の波はない。選手のシュートの精度だけ。日本のセットプレーは大きな武器だ。それはアジアだけでなく、世界の強豪相手にも打撃を与えることができるほど洗練されている。たとえばイラン相手でも日本のセットプレーは大きな武器となるだろう。
日本がディフェンスラインを下げたことで完全に試合は日本に傾いた。28分に小宮山友祐、31分に木暮賢一郎、33分に小曽戸允哉、そして35分に村上哲哉が決めて、結局、日本が6-1で完勝した。
日本はグループリーグを3戦全勝で終えた。準々決勝では
グループA2位のキルギスタンとワールドカップ出場を懸けて対戦する。
[得点経過]
0-1 LO,CHIH-EN(台湾)6分
1-1 逸見勝利ラファエル(日本)11分
2-1 逸見勝利ラファエル(日本)21分
3-1 小宮山友祐(日本)28分
4-1 木暮賢一郎(日本)31分
5-1 小曽戸允哉(日本)33分
6-1 村上哲哉(日本)35分
負傷の星翔太のユニフォーム、そしてベンチ入りメンバーから外れた藤原潤のユニフォームを手に持ち、
試合前の集合写真におさまる日本代表。
日本代表のフィクソ、村上哲哉が左サイドを駆け上がり、強烈なシュートを放つ。
この日は木暮賢一郎の落としを豪快に叩き込んでいる。
日本はコーナーキックをカウンターにつなげられ、台湾に先制点を許した。
この日、ゴールマウスに入ったのは冨金原徹だった。
ロングパスをトラップする仁部屋和弘。仁部屋は高いスキルを備えているが、そのプレーが相手ディフェンスに恐怖を与えているとは言いがたい。いくらボールが足に吸い付いているようなドリブルがあっても、シュートを打たなければ、ゴールを目指すプレーをしなければ恐くはない。
この日ゴールを決めた日本代表のキャプテン、木暮賢一郎。そのパスで味方の多くにゴールをもたらしている。
ただ星翔太を欠く今、彼にもゴールが求められる。
逸見勝利ラファエルが仲間とゴールを喜ぶ。逸見はこの日コーナーから2得点。
セットプレーは日本の大きな武器だ。木暮、小宮山友祐といった日本のキッカーはアジア有数の選択眼を持つ。
小宮山が左足でミドルシュートを突き刺す。距離があってもシュートを打つ。
日本はボールが持てるが、その時間とスペースをまだうまく活かせていない。
星翔太を負傷で欠き、日本で唯一のピヴォとなった高橋健介。ただ彼は本職のピヴォではない。今大会は審判がラグビーのようなタックルを相手ディフェンスがしても笛を吹かないので、ボールのないところでの高橋のいいプレーが消されている場面が多い。フットサルはラグビーはおろか、11人制のサッカーとは違うスポーツであるということをアジア選手権で笛を吹く審判はいつ理解するのか。ちなみに欧州からやってきたとはいえ、母国に競争力の高いリーグがない審判も同様だ。
日本のアタッカー、稲葉洸太郎。彼のドリブルを台湾は2人がかりで挟み込み、止めようとした。
明らかにファウルなのにこのプレーにも笛が吹かれることはなかった。
試合後に記者会見に応じるミゲル・ロドリゴ監督。
2010年のアジア選手権と比べて、アジアのレベルは上がっており、簡単は試合はもうないと語っていた。
<小宮山友祐選手のコメント>
先制されたことはもったいないですけど、ちゃんと同点にして、最後には勝てたので、それはよかったのかなって思います。ただ1失点の重みというのをもっと感じないといけないですね。これから対戦する相手は1失点が命取りとなるチームなので。
ショウタ(星翔太)がいないのでピヴォ当てで攻撃に深みをつけるのはなかなか難しくなりました。だから今大会はディフェンスラインを上げて、空いたところにドリブラーを使うっていう攻撃が一番いいのかなと思います。日本にはドリブルでチャンスをつくることができる素晴らしい選手がいっぱいいるので彼らを活かせるようにしていきたいです。
記事・写真 座間健司
ワールドカップ出場まであと1勝となった日本代表。
準々決勝はワールドカップ出場を懸けて29日(火)キルギスタンとの対戦となります。
頑張れ日本!
今回記事を提供してくださっているスペイン在住のフットサル記者、
座間健司のブログでもAFCフットサル選手権の記事を掲載しています。
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順位 | チーム | 勝点 | 得失 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 名古屋 オーシャンズ |
30 | +59 | ||
2 | バサジィ大分 | 26 | +34 | ||
3 | フウガドール すみだ |
23 | +4 | ||
4 | 湘南ベルマーレ | 18 | +6 | ||
5 | バルドラール 浦安 |
18 | +1 | ||
6 | シュライカー 大阪 |
18 | -1 | ||
7 | ペスカドーラ 町田 |
18 | -3 | ||
8 | 立川府中 アスレティックFC |
16 | +1 | ||
9 | ヴォスクオーレ 仙台 |
10 | -17 | ||
10 | Fリーグ選抜 | 7 | -21 | ||
11 | エスポラーダ 北海道 |
6 | -21 | ||
12 | ボアルース長野 | 1 | -42 |
2019年第11節終了時