フォトグラファーRこと箕輪諒太:写真学校を卒業後、フットサル専門誌で記者兼カメラマンとして従事。
現在独立し、スポーツ・ライブ撮影を中心にフリーカメラマンとして活動中。 ゾット早稲田専属カメラマン。
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第2回 8月28日 |
観客が名勝負を生む!
選手とリーグを育てるためにも観客増員を・・・
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東久留米でのカフリンガ-フウガ戦はいつも最高の盛り上がり (2011年7月16日)
関東リーグクラシコ(歴史はないけど)などと名打っても良いのでは? (2010年6月25日) |
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2枚の写真は、今期と昨季に行われた、カフリンガホーム試合での写真。
先日の関東リーグ第5節。最終試合はカフリンガ対フウガというカードでした。
激しい攻防の末、カフリンガが4対3でリード。
しのぎを削る接戦はこのままカフリンガの勝利で幕を閉じるかと思いきや、
ラスト7秒、フウガ早川のミドルシュートが決まり、
引き分けに持ち込むというドラマの様な最後を迎えました。
→この試合のダイジェストはこちら
対して昨季の同カード、同会場の試合では、フウガが3対1で試合を進める中、
38分にカフリンガ新井が、右サイドから倒れ込みながらのシュートを決めて得点。
39分には、同じくカフリンガ垣本が第2PKを決めて、
ラスト1分のところで引き分けに持ち込んだことを記憶しています。
激しい試合の内容もそうですが、特に記憶に残っているのは
選手たちの向こう側に見えた多くの観客の姿です。
子どもから大人まで、幅広い年代の方達が集まって、
最後までチームを応援している姿は本当に素晴らしいものでした。
その姿を思い浮かべていた5節の試合後、ふと思ったのは、
このお客さんたちこそ好試合を作ってくれた、最も大きな要因なんだろうなということです。
「好試合」とは、どんなものでしょうか?
ハイレベルで、互いに隙がなく、スペクタクルが起こる試合、がそうでしょうか?
でも僕の想像では、そこに必ず大きな歓声があります。
選手たちと、観客たちが、これでもかという程感情をあらわにしている姿が思い浮かぶのです。
ちょっと話がずれますが、撮影をしていると、どんなにいい試合をしていても
写真ではその様子が伝えづらい場合があります。
それは、被写体に選手以外の素材が少ない場合です。
選手の表情や構図など、いくつかの要素が合致すればいい写真になります。
しかしもう一つ大きな要素として、観客が写っている、いないという条件で
大きく写真の印象は変わってしまいます。
観客が多くいれば、よりその場の盛り上がりも伝わりやすいです。
昨季のカフリンガ-フウガ戦。新井のゴールシーン。背後の子どもたちの表情が印象的
これは試合を観戦している側も同じではないでしょうか。
見ている風景がピッチだけの場合と、周りに多くの人がいて、同じ展開を見ている、
大きな歓声が生まれるといった要素があって 『これはいい試合だな』 と
空気感でも感じることができるのだと思います。それが好試合ならば、
そんな試合を多く見たいし撮りたい! と僕は思います。
極端な話、観客が増えれば、チームも強くなっていくものだとも思います。
選手、クラブの努力によって、チームのレベルも上がっていくのは確かです。
でも一方では、選手達のレベルの向上→集客増化ではなく、
集客増化→選手たちのレベルの向上、という逆の流れも必要だと思います。
観客が多ければ多い程、選手たちにプレーの責任感も出るものだと思いますし、
試合でのパフォーマンスも上がっていくはず。
そこから名試合が生まれ、その試合が1人1人の記憶に残り、
そこからまた、多くの人に伝わっていく。こんなサイクルもあっていいはずです。
ではどうすれば観客を増やせるのか。
答えが出ていればいいのですが、フットサル界全体がそれについて悩んでいる最中です。
写真家の僕が思うのは、もっとエンターテイメント性や、
見せる部分を追求すればいいのでは、ということです。
HPから、前節のダイジェストを大きなサイズで閲覧できるとか、
(YouTubeでのスペインリーグダイジェスト配信などは良い例)
ハーフタイムに旋回、ファー詰めなど、
フットサル特有の派手な動きをサテライトチームなどが再現して見せてみるとか、
ハーフタイムに選手間個人技対決をやってみるなど、
フットサルの見せる部分に特化したものから広めていければ、
初めて試合を見に来た人でも楽しんでくれるのかもしれません。
他スポーツでもよく見られますが、タレントなどに積極的にアピールしてもらう、
というのもあります。ただ、これは反発もあるかも・・・
盛り上がりのきっかけになればいいのですが、話題止まりになってしまうのも問題ですね・・・
でも、なんでもやってみなければわからないことです。
最初に書いた、今季5節のフウガ対カフリンガの試合。
こんな試合が多くなれば、必ず、フットサルはもっともっと大きくなって
盛り上がるだろうな、と感じました。
関東リーグの試合でそう思えたなら、Fならばどうでしょうか?
もっと大きな波にすることがきっと可能なはずです。
その為にも、多くの方に楽しんでもらえることを考えていかなければいけません。
ちなみにフウガ対カフリンガの試合後、カフリンガはクリニックを開いて
子どもたちへフットサルを教えていました。
フウガも同様のことをホーム戦では行っています。
応援してくれる方たちを大事にし、楽しませることから
すべてのことが上手く流れていくならなと、理想にも近いことを、ただただ願っています。
文:箕輪諒太
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「フォトグラファーRの気まぐれコラム」では
ゾット早稲田専属カメラマンでラブフットボールや複数のメディアで活躍中の
箕輪カメラマンが見たフットサルリーグの所見や舞台裏を不定期にお送りします。
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