全日本選手権 PUMA CUP 2015　3月8日 舞洲アリーナ

    　1次ラウンド グループD　第3戦

    　バサジィ大分 vs FCmm

    　グループDの最終戦はここまで9-1、11-0という圧倒的な大差で2連勝のバサジィ大分と
    　1勝1敗の関東代表・千葉県のFCmmの対戦。しかし、もしここでFCmmが勝てば2勝1敗で2チームが並び、
    　直接対決でFCmmが勝っているため、グループ勝ち抜けはFCmmとなる。
    　全国的には無名のFCmmが、Fリーグでも強豪、今大会も絶好調の大分に勝つのは
    　至難と思われたが、試合はあまりにも意外な展開となる。
    　　

    試合前、大分伊藤監督の声が飛ぶ。「Fリーグとして地域のチームに負けるわけにいかない、気を抜くな。」
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    関東1部リーグ1年目、全国大会初出場のFCmm。
    「自分達が参加チームで一番下のチーム、ジャイアントキリングを狙いたい。」(船橋選手)と大会前に言っていたが。
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    選手なのに相手チームの監督・コーチ一人一人にちゃんと挨拶に来るディドゥダ(大分11)。
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    普段選手としてもプレーしているFCmm目良監督(上段左から2番目)は今回監督に徹してベンチから指示を送る。
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    引き分け以上でグループ1位が決まる大分。勝ち抜けば決勝トーナメントではいきなり名古屋と当たる。
    「その時は事実上の決勝戦と言われる対戦にしたい。」(伊藤監督)
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    さあFCmmのプレーは大分に通用するか？
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    2分、仁部屋(大分10)が左サイドで2人に囲まれながら折り返し↓
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    逆サイドの小曽戸(大分12)に通り、難なくゴールを決める。
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    大分が先制。1-0。
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    相手が強いからこそ失うものは何もない。思いきったプレーを試みるFCmm。
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    しかし直後にディドゥダ(大分11)が左45°から↓
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    放ったシュートが高速でGKの頭上を抜けていく。
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    大分早くも2点目。パワーの違いを見せつける。
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    しかし気落ちした様子もなく、目の前のプレーに向き合うFCmm。
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    14分、仁部屋(大分10)が中央で溜めてパス↓
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    右から走りこんだ森村(大分15)が決める。
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    大分3点目で3-0。まだ前半途中だが、大勢が決まった感が会場に漂う。
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    ただFCmmの選手たちの集中は途切れた様子はない。
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    前半終了間際、大德(大分6)から↓
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    小曽戸(大分12)がGKの裏でパスを受けて大分あっさり4点目。
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    ここで前半終了。4-0。このまま成すすべなく後半も差が開いてしまうのか？
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    何があるか分からない。FCmmは気持ちを新たにし後半に挑む。
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    ところが後半開始直後、右サイドを仁部屋(大分10)が上がり↓
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    そのままグラウンダーのシュート↓
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    GKの股を抜いてゴールイン！
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    後半最初の得点も大分で5-0。このまま前日までと同じく大分が大勝となるか？
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    ところが1分後、田中(FCmm34)がゴール前へ切り込んで左へパス↓
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    走りこんだ船橋(FCmm10)がスライディングでシュートを叩き込む！
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    FCmm1点返す！5-1。
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    サポーターも大盛り上がり。大分から1点取ったぞー。
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    これで気持ちを良くしたFCmm。プレーにもキレが出る。
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    24分、中央の河井(FCmm7)から右前へ↓
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    パスを受けた千葉(FCmm9)がワンフェイク入れてシュートを放つ↓
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    ニアサイドを抜いてゴールイン！FCmm連続得点！
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    5-2。まだ点差はあるが試合らしくなってきた。
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    さすがに大分も気持ちを入れ直して再度攻撃に出る。
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    しかし勢いの出てきたFCmmの守備に得点を挙げることが出来ない。
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    30分、ゴール前で大貫(FCmm19)がシュート↓
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    こぼれたところを同じ位置に入って行った千葉(FCmm9)が倒れこみながらシュートを決める！
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    なんとFCmm3連続ゴール！これで5-3！
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    千葉も2点目。正確なシュート2連発！
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    完全に調子に乗ったFCmm。残り10分、まさか追いつけるか？
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    たまらずタイムアウトを大分が取る。ひょっとすると勝てるかも。FCmmは真剣に次のプレーを話しあう。
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    大分が攻めようとするが一度狂った歯車は戻らない。
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    32分、田中(FCmm34)のカウンター↓
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    先に上がっていった船橋(FCmm10)へパスを出すと↓
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    飛び出したGKの脇を抜いてゴールへ流し込む！
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    ゴールイン！なんと4連続得点！これで5-4。
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    船橋も2点目！的確なポジション取りと早い動きで大分を翻弄する！
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    10分前には5-0だった。勝利も現実味を帯びてきた。あと1点コールがFCmm応援席から会場にこだまする。
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    傘にかかって攻めるFCmm。大分は必死の防戦。
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    34分、大分のボールを奪った船橋(FCmm10)が上がる↓
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    ゴール前で田中(FCmm34)が受けてシュートと見せて横に出し↓
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    追いついた船橋がGKの股を抜く！
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    FCmm同点！なんと大分相手に5点差を追いつく！
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    FCmmベンチに、いや会場全体に鳥肌が走る。
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    まさか大分に勝ってしまうのか？それも5点差から。グループ首位を掛けた試合で。
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    顔色の変わった大分が攻める、がFCmmの気持ちの入った守備が上回る。
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    まだ4分ある。これはむしろ大分が逃げ切れるかの勝負だ。
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    攻めまくるFCmm。
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    残り2分を切った。船橋(FCmm10)にボールを奪われそうになった芝野(大分23)が思わず手を出す。
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    行ける！対照的な両ベンチ。
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    もう時間がない。プライドを掛けて負けられない大分。
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    ここまで来たら絶対勝ちたいFCmm。
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    しかしここでタイムアップ！5-5、引き分けで試合は終わる！
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    悔しい表情を見せるのはFCmm。大分はホッともしない。苦悶の表情を見せる。
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    大分は薄氷の引き分け。グループ突破は果たしたがショッキングな試合だった。
    決勝トーナメントでこの試合がプラスになるかマイナスになるか。準々決勝の相手は王者名古屋だ。
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    普通なら大分に引き分けなら大健闘だが、追いついてから5分以上あり押していただけに勝ちたい試合だった。
    勝てば代々木で名古屋戦･･･多くの選手が悔し涙を流していた。
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    素晴らしい試合を称えるサポーターたちと記念写真。FCmmは大きな経験を手にしてPUMA CUPを後にする。
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    FCmm、3得点を挙げた船橋選手にお話をお聞きしました。
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    Q.勝ちたかったかもしれませんが凄い試合でしたね。
    Fリーグのチームとここまでやり合えたことが嬉しいです。内容でいえば前半の入りが悪くて、でもそれは相手が上手いのでそこはリスペクトして、点を入れられても下を向かずに取られたら取り替えそうって皆で話しながらプレーしました。
    Q.後半の反撃は凄かったです。
    失うものは何もないので、mmらしい勢いが出せました。つめ跡を残せたんじゃないかと思います。個人的には立ち上がりから結構やれるなぁというのはあったので、チームを盛り上げつつ自分では冷静にやれたことが良かったと思います。
    Q.自信になりましたか？
    実はやる前から自信だけはあったんですが、それをこの全国大会で見せることが出来ました。また来年、まずは厳しい関東を勝ち抜かないといけないですが、また一から準備して、全国の舞台に戻って来て次こそ代々木へ行きたいです。


    　　 FCmmは1勝1敗1分でグループ2位、決勝トーナメントには残れませんでしたが素晴らしい活躍でした。
    　　 苦しみながらも勝ち抜けたバサジィ大分は3月13日(金)19:30～、準々決勝で名古屋オーシャンズと対戦します。






    (写真：中根高磁)　　　　


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Fリーグ順位表

順位 チーム 勝点 得失
1 → team logo 名古屋
オーシャンズ		 30 +59
2 → team logo バサジィ大分 26 +34
3 → team logo フウガドール
すみだ		 23 +4
4 → team logo 湘南ベルマーレ 18 +6
5 → team logo バルドラール
浦安		 18 +1
6 → team logo シュライカー
大阪		 18 -1
7 → team logo ペスカドーラ
町田		 18 -3
8 → team logo 立川府中
ｱｽﾚﾃｨｯｸFC		 16 +1
9 → team logo ヴォスクオーレ
仙台		 10 -17
10 → team logo Fリーグ選抜 7 -21
11 → team logo エスポラーダ
北海道		 6 -21
12 → team logo ボアルース長野 1 -42

2019年第11節終了時

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