フットサルプレーヤーズボイス 2012.6.15 掲載
バルドラール浦安 深津孝祐選手インタビュー
バルドラール浦安のフィクソ/アラとして活躍する深津孝祐選手。
昨年途中に関東リーグフウガからバルドラール浦安に移籍し、すぐにレギュラーとして活躍。
全日本選手権でもバルドラール浦安の準優勝に貢献した。
今回は深津選手にFリーグでの夢をお聞きするとともに、フウガのキャプテンも勤めた
深津選手がどんな思いでFリーグ入りを決意したのか。また、地域リーグとFリーグを
深く知る深津選手にその環境やレベルの差がどんなものなのかもお聞きしました。
Q. まず、昨年8月にフウガから浦安に移籍しましたが、
Fリーグをほぼ1シーズン戦い終えて、手ごたえはいかがでしたか??
フウガの時と練習も試合も大きく変って戸惑いもありましたし、
自分の長所の生かし方とかで全然足りなかったというか、
正直もっと出来ると思っていたというか、やはりFリーグはレベルが高いんだな、と感じました。
特に周りとの連携という面で差がありますね。
浦安は自由にそれぞれが動くんで、でもそれは勝手に動いてるんじゃなくて
あの選手がこう動くからそれを見てこう動くとか、もの凄く考えて動かなくちゃいけないんです。
それとものすごく細かいディフェンスの一歩の差だとか、
いままではなんとなく守れていたところが、Fだとやられてしまうことがあって、
地域で10回に一回だった失点が10回に3回くらいは取られてしまう。
1年間で多少慣れましたが、ものすごく意識して何とか対応している感じです。
正直もっとやれると思っていたんですが、少しショックがありましたね。
全体的に差はあるんですが、得点を良く取る選手は特に違います。
例えば町田のジャッピーニャ(本田マルコス)とか、Fリーグに入る前は
なんであんなに点取るんだろう?そんなに凄いの?思ってたんですが、
実際当たってみてやっぱ凄いな、一瞬でやられるな、と分かりました。
Q. これからどういった選手になっていきたいと考えていますか?
なんでもできること。その中でも両足で強いシュートが打てることを大きな武器だと思っています。
その長所を生かして、そのチームで必要とされていること、求められていることを実現できる選手になりたいですね。
Q. 目標にする選手はいますか?
小宮山選手とかを見て「ああなりたい」と思う点もありますけど、誰というより
僕らしい、何でも出来て、遠目からも両足のシュートが打てる選手になりたいです。
しいて今いる選手で探せば、イメージとしては一番近いのは村上哲哉選手かな、とは思います。
Q. 浦安のイメージは入る前とあとで変わりましたか?
実は入る前は感情をあまり表に出さない、クールなチーム かな、と思っていたんですが
実際そんなことはありませんでしたね。みんな必死でやっていますし。
入る前のイメージはフウガとの練習試合などでそう思っていたんですが
フウガは常に闘志むき出しで、でも浦安からすれば一練習試合なので、その差だったのですね。
フウガの時代からもっとFリーグを沢山見ていれば良かったです。
練習試合も含めてすべての試合で全力でやるのは難しいんですが、
レベルアップという意味ではそれが出来たほうが良いとは思いますけどね。
Q. 昨シーズン、リーグ5位、全日本選手権準優勝という結果についての感想は?
リーグの5位についてはまったく満足していないですね。
チーム目標の3位争いは最後までしていたんですけど、順位よりも
良い試合をしてても勝ちきれない試合が多いというか、
得点力不足と言えばそれまでなんですが、もっと勝ち星を挙げられたはずだと思います。
以前、記者の座間さんがツイッターで、ゴール前のアイデアとか怖さというのは、
選手個人個人の能力にかかる部分が大きいと呟いていたのを見て、まさにその通りで
ゴールは理詰めだけは取れないので、もっとゴール前で貪欲であるべきだったかと思います。
Q. でも全日本選手権に関して言えばすばらしい勝負強さでしたね。
そうですね。あの勝負強さは何かといえば・・・チームの一体感であったり
地道にやってきたことの結果としかいいようがないというか、なぜとは言えないですね。
Q. 浦安はプレーのワンプレーワンプレーの真剣さは感じますが、それでも足りないですか?
足りないですね。もっともっと貪欲にならないと優勝は目指せないと思います。
Q. 名古屋・大阪は何回か対戦してみて、やはり強いですか?
強いですが、どこのチームも強いです。
ここには勝てるだろうなんてチームはないですね。
もちろん名古屋・大阪・大分・神戸はフィジカル面で凄いと感じますが
僕はどのチーム相手でも試合前は同じ感じで挑んでいます。
Q. フウガでキャプテンでしたし、全日本選手権やオーシャンアリーナカップでFリーグと対戦したり
日本一になるチャンスもあったわけですけど、それでもシーズン途中で移籍した一番の理由はなんなのでしょうか?
昨年のオーシャンアリーナカップで、Fリーグのチームと対戦して、
その差を凄く感じてしまって、「Fリーグはこのレベルの試合を27試合もやるのか、
このレベルでやりたいな、自分のレベルアップのためにも必要だな、」と思ったんですね。
Q. 代表に入りたい、そのためにFリーグに行かなくちゃという気持ちもありましたか?
代表はミゲル監督が来て大きく変わったと思うんですね。
いま代表は方向性としてはスペインのフットサルを目指していると思うんです。
浦安も前身のプレデター時代からチャビでありセサルであり、昔からスペインの監督が
指導していて代表と方向性が近いというか、スペインのフットサルに触れてみたいというのもありました。
Q. すると浦安以外だったらFには入っていませんか?
いや、浦安がベストでしたけど、さっきのFのレベルでやりたいという気持ちが1番だったので
Fリーグにはチャレンジしていたと思います。
Q. 昨年のオーシャンアリーナカップ2回戦で、名古屋に負けたときに目の前で試合を見させていただいたんですけど、
あの試合の影響が大きかったのでは、と感じていましたが?
そうですね。あの試合が大きかったというか、あの試合の名古屋は本当に強くて
「どうやったら勝てるんだろう。このままでは駄目だ。」と強烈に感じてしまったんですね。
「この相手に勝てるようになるにはどうしたら良いんだろう。
もっとこのレベルで試合をしなければいけない。Fリーグに入ればこの名古屋とあと3回戦えるんだ。」と考えました。
オーシャンアリーナカップ2011、当時フウガで名古屋と対戦した深津選手
後半、決定的な追加点を取られ、ベンチに下がって天を仰いだ・・・
Q. それまでもFリーグに入りたいと考えたり、迷ったりしたことはあるんですか?
いや、ないです。フウガで全日本選手権やオーシャンカップなどでFリーグに勝ちたいと思って練習していました。
でもあの試合でFリーグでやりたいと、名古屋とあと3回やりたいと考えましたね。
Q. いまフウガはF準会員ですが、もしフウガが1・2年でFリーグに上がることが決まっていたとしたらどうでしたか?
いや、移籍しましたね。Fリーグに入れば名古屋に限らずFのチームと3回づつ、年間27試合、毎週試合ができますからね。
短い選手生命のなかで一刻も早くFのレベルでやりたい、1年でも差をつけられたくないと考えました。
Q. フウガで5年間過ごし、昨年はキャプテンにも任命されて、そのシーズン序盤での移籍というのは
相当な決断が必要だったのではと思いますが?
行きたいな・・・いやでも・・・と凄い悩みましたね。でも最後は選手として長くないな、というのが大きかったです。
最終的な目標はとして30歳で迎える次回のワールドカップがあるので、(現在25歳)
そこに出るためにはあと5年しかない、と考えました。そのうちの1年をどう過ごすべきか・・・
フウガでも成長できる部分はあるし、監督も信頼してくれていましたし、キャプテンにも指名してくれました・・・
でも最後はフットサルプレーヤーとして自分の道を進もうと決断しました。
Q. 実際Fリーグに移籍をしてみて、その甲斐はありましたか?
僕は移籍して良かったと思っています。フットサルをやる環境が良いのはもちろん
実際レベルが上がったとも思いますし、逆にもっと成長するための課題が見つかったとも思います。
Q. 関東リーグを良く知る深津さんにお聞きしますが、
Fリーグと関東リーグの差はどんなところにありますか?
やり方が違うので計りづらいことではあるんですが、戦術面の差はありますね。
練習回数も時間も違うので、関東では細かい戦術とか約束事とかは決めきれないというか
そこまでやりきる時間がないので、そういう差も出てしまいます。
フォーメーションや連携もそうですが、キックインであるとかコーナーキックであるとか
そういう細かいところまでFでは決められるだけの時間があります。
Q. 関東にも元Fの選手もいますしFに行ってすぐに活躍する選手もいますが
個人レベルの差はあまりないのですか?
いや、やはり個人の差はあると思います。けど、一番の違いは意識の違いですね。
浦安に来て思ったのが、選手個々のトレーニングだとか、環境を良くする工夫だとか、
その部分での差を感じますね。
Q. 代表にカズ選手を呼ぶかどうか話題になっていますが、カズ選手は代表で活躍できるのでしょうか?
また活躍したらしたでそれでFリーガーのレベルが問われたりしないでしょうか?
まずカズ選手や元Jリーガーの人などがFリーグに入った時にですが、僕は活躍できると思います。
まずフィジカルの面で差があるのは明らかで、全員とは言いませんがJリーガーでしっかり基礎がある選手であれば、
Fでやっている選手も圧倒されると思うので、活躍できる選手が多いでしょう。
でもFリーガーもボールの扱い方だとか体の使い方だとか、
フットサルならではのテクニックと経験があると思うので、負けっぱなしにはならないと思うんですよ。
それプラス、フィジカルで負けないトレーニングを積んで、Jリーガーに活躍させないぞ、
と成長すればいいし、Jリーガーもフットサルのテクニックを取り入れないと負ける、
となればお互いにレベルアップができると思うんです。それはお互いのレベルアップにとって良いことです。
究極のプレーヤーはフットサルプレーヤーのテクニックと
Jリーガーにも負けないフィジカルを極めた選手だと思います。。
Q. 深津選手は今の段階で日本代表に呼ばれても大丈夫な力がついていると思いますか?
代表に呼ばれるだけが目的ではなくて活躍することが目的なので
そういう意味ではまだ早いのかなと思います。Fリーグでも十分な結果は
出せていないですし課題はまだあると思います。
Q. オフの間はどのように過ごしましたか?
人それぞれ違いますが、僕の場合はウエイトトレーニングをしっかりしましたね。
やりたいプレーをやるために必要だと思ったので。
もっと強いシュートも打ちたいですし、競り合って体勢が悪いときにも思ったプレーができるように
「究極のプレーヤー」になるためにはもっともっと必要だと考えたので。
30歳に日本代表でワールドカップというのをいつも念頭において
そのために必要なことは何かをいつも考えて実践するようにしようと心がけています。
2011.9.24 府中戦でFリーグ初ゴールを決めチームメイトの高橋選手に祝福される深津選手。
Q. 今シーズンは浦安でどんなシーズンを過ごしたいですか?
僕はリーグを3位で終えて、そのあとのプレーオフで優勝しても立派な優勝だと思うんですが
でもプレーオフをホームでやりたい気持ちはあります。
あの浦安体育館の雰囲気は最高ですし、セントラルやアウェーにも沢山のサポーターが応援に来てくれて
ありがたいですし、それがモチベーションになっているんですが、
そういう意味ではリーグ戦で1位を取って、プレーオフをホーム浦安でやりたいですし
あの雰囲気の中で皆と優勝を迎えられたらこんな幸せなことはありませんね。
Q. 最後に浦安ファン、深津孝祐ファンに一言ください。
今シーズンはフットサルにかけるいろいろな思いをプレーで表現したいと思っています。
来て良かったと思えるような試合をするので、是非皆さん、会場に足を運んでください!
深津選手、長時間のインタビュー、ありがとうございました。
その温和な表情のとおり、話していても優しい深津選手。
しかしその中身は情熱と決意に満ちた熱い選手でした。
深津孝祐 オフィシャルブログ
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記事:中根高磁
順位 | チーム | 勝点 | 得失 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 名古屋 オーシャンズ |
30 | +59 | ||
2 | バサジィ大分 | 26 | +34 | ||
3 | フウガドール すみだ |
23 | +4 | ||
4 | 湘南ベルマーレ | 18 | +6 | ||
5 | バルドラール 浦安 |
18 | +1 | ||
6 | シュライカー 大阪 |
18 | -1 | ||
7 | ペスカドーラ 町田 |
18 | -3 | ||
8 | 立川府中 アスレティックFC |
16 | +1 | ||
9 | ヴォスクオーレ 仙台 |
10 | -17 | ||
10 | Fリーグ選抜 | 7 | -21 | ||
11 | エスポラーダ 北海道 |
6 | -21 | ||
12 | ボアルース長野 | 1 | -42 |
2019年第11節終了時