Fリーグ2012-13 最終節 1月26日 府中市立総合体育館
府中アスレティックFC vs アグレミーナ浜松
一時期は大阪と2位を争い、プレーオフは堅いと思われた府中。しかし23節からの3連敗で
一気に4位神戸・5位浦安との勝点差が3以内に縮まった。この試合に敗れれば、同時進行の浦安vs神戸が
引き分けでないかぎり、逆転され4位となりプレーオフはなくなる。相手は最下位浜松。
順当に行けば勝利は難しくないはずだが、府中はこのプレッシャーに打ち勝つことが出来るか?
アップ中、ボールを蹴る府中伊藤監督。選手に復帰しても十分できそうだ。
浜松キャプテン中島涼太。浜松も随分リーグに慣れてきた。最後に一波乱起こして意地を見せたい。
前々節の名古屋戦でFリーグ通算100ゴールを達成した(歴代4人目)山田ラファエルユウゴ選手にファンから花束の贈呈。
試合前、両監督が握手。
浜松は多くのサポーターが集まり、大声援でホームのような雰囲気を作り出す。素晴らしいサポーターだ。
先発は府中:GK村山 完山 山田ラファエル 小山 ロドリゴ
浜松:GK山本 中島 石野 松本 田中
序盤から府中が怒涛の攻撃。
ユウゴ(府中10)のクロスに小山(府中12)が詰めるが惜しくもゴール左に切れる。
浜松は体を張って必死に守る。
攻め手のなかった浜松だが、オマー(浜松10)が入ると高い位置でボールを保持し基点を作る。
府中はユウゴを中心に激しく攻め込むが、
浜松GK山本の好セーブもあり、得点は奪えず。
浜松はカウンターを狙うが、府中のカットが早くフィニッシュまではいけない。
早く点が欲しい府中の猛攻を浜松が必死に守り、時間が過ぎる。
冷静なのはむしろ浜松か?
15分、松本(浜松7)がハンドで止めたのではないかと府中が審判に抗議↓
しかし浜松は躊躇せずに攻撃開始。一気に駆け上がり↓
ゴール前に切り込んだ剣持(浜松16)が決める!
なんと先制点を奪ったのは浜松。0-1。
大喜びのサポーター。
ここまで好セーブ連発のGK山本。ここからはさらに守りが大事だ。
府中が1点取られ前掛かりになったところの裏をついてオマーが1対1のシュート↓
GK村山が肩でセーブ。試合の雰囲気が変わった。
カウンター合戦。早い攻守の切り替えから府中もゴールへ迫る。
前半は0-1で終了。攻め続けながら1点も取れなかった府中。やはり簡単にはプレーオフには行けない。
円陣を組んで逆転を誓う。
後半開始してすぐ、左サイドをユウゴ(府中10)が突破しシュート↓
ゴレイロが抑える。
今度は中央突破。石野(浜松4)が引っ張っているようにも見えるが笛は鳴らない。
25分、ダンタスを中島が倒し、今度こそ笛がなる。
府中に待望のゴール前でのフリーキック。
これをユウゴ(府中10)が直接決める!
ついにゴールを奪い、同点に追いつく府中。
喜ぶいうより叫びあうベンチ。
浜松もいまさら引き分けでは意味がない。攻めに転じる。
29分、またまたユウゴ。今度は自ら持ち込んで強烈なシュートを放つと↓
GKの手を弾いてゴールに収まる!
ついに逆転!このまま行けばプレーオフが決まる!
残り10分あるが浜松はパワープレーを選択。逆転を目指す。
しかし府中がボールを奪い上手くいかない。
残り8分でタイムアウト。浜松はパワープレーを止め通常プレーで攻撃に出る。
しかし気持ちの入った府中の守りの前に押さえられる。
刻々と時間は過ぎ。
府中は最後まで浜松に決定機を許さず。
ついに試合終了。2-1。府中がプレーオフ進出を決めた!
文字通り「プレーオフの切符」を手にした上福元。
おめでとう府中。
しかしこれで終わりではない。プレーオフでまず大阪を打ち破ることができるだろうか。
試合後のセレモニー、および会見での監督たちのコメント
府中:中村GM
感傷的になるには早いかもしれませんが、創設13年でトップリーグで活躍できるチームを作ることができました。少し前には、残り10何分かが守れずに3位になれなかったということがありました。今日はそれを乗り越えての3位を獲得でき、このあとプレーオフがありますが、そこに向けて良い準備をして戦いたいと思います。
今日はたくさんのファンの皆さん、サポーターの皆さん、本当にありがとうございました。
それから、私から報告したいのですが、今日はドコモさんにスポンサーをして頂きました。前回は伊藤園さん、府中市、この近隣の皆さんが、スポンサーをしていただきまして、こうして府中アスレティックFCが成り立っています。たくさんの応援があってのアスレティックなんですけれども、今年は府中市長を初め、府中市議会議員の皆様の後押しがあり、来年はこの府中の体育館でホームゲームが、なんと8回出来るようになりました。この場を借りまして、お礼を申し上げたいと思います。体育館の問題がありまして、なかなかファンの皆さんには沢山の試合がお見せできなかったんですけれども、来年はこの府中で、是非また応援をよろしくお願いいたします。
府中:伊藤監督
まず、本当に苦しかったです。府中に帰ってきて3年、自分が愛しているこのクラブに、やっと一つ恩返しができたと思います。ただ、これは、このチームだけでなく、今日ここに集まっていただいた皆さん全員の勝利だと思っています。まだまだ戦いは続きますし、来年はもっともっと強くなってここに戻ってきたいと思いますので、まだまだのチームですけれども、これからも一緒に戦ってください。これからも応援をよろしくお願いします。ありがとうございました。
府中:完山選手
まずは、ファンの皆様、今シーズンは我々に沢山の声援を送ってくださってありがとございました。クラブの目標である「プレーオフに行く」という目標が、今日この府中というホームで決めることができまして、本当に皆様と共に歴史の1ページを刻めたな、という思いでいっぱいです。皆さんに祝福していただいて本当にうれしいです。本当にありがとうございました。
リーグ戦はこれで終わってしまいますが、プレーオフはもうすぐ来週金曜日から名古屋のオーシャンアリーナで開催されます。まだ、僕たちの戦いは終わっていないので、そちらも応援していただけると僕たちのパワーになりますので、是非みなさん気にして応援してください。
本日、そして、今シーズンはありがとうございました。
今日の試合、今シーズンを振り返って
浜松:前田監督
最終戦ということで、浜松からホーム府中よりも沢山のサポーターの方がいらっしゃっていただいて、ホームのような雰囲気でやれるのではないかと思っていましたし、私たちも勝ち点を二桁に持っていきたいと思いやってきました。プレーオフが懸かっている府中が相手でしたが、残念ながら敗戦となってしました。良いゲームだったという人たちもいるのですが、我々にとっては勝てなかったということは良いゲームではなく、次につながるように頑張りたいと思います。ただ、結果最下位でしたけれども、プレーオフが懸かっているチームと終盤ずっと連戦になりまして、注目されながら試合を行えたということは、私たちにとっては凄く良い経験になったと思いますし、この経験が間違いなく来シーズン、もしくは3月から始まる全日本選手権に向けて、私たちの力になると思っています。
今日の試合を簡単に振り返りますと、私たちが1-0で折り返すことはプラン通りで、そこまでは良いゲームができたと思います。ただ後半になって、当然プレーオフに進出したい府中さん、そして今日勝点3が欲しい私たちでしたが、前半できていたことが後半できなくなったことで、少しずつリズムが崩れて、こういう結果になってしまったのではないかと思います。全体的に言えば、前の選手の動き出しと、ボールの溜めの無さというところで、攻撃陣に関してはボールが足元についていないことがあって、その辺は個人の問題だと思いますし、これからFリーグの舞台で戦うためには、そういうところがきちんと出来ないと通用しないのではないかと、個人個人が自覚していただければ、アグレミーナ全体が更に良いゲームが出来るようになると思っています。
年間では、すごい失点をしてしまって大変申し訳なかったのですが、私たちがやり遂げたいフットサルでは仕方の無いことではないかと、それがあって今があると思っていますから後悔はしてません。だいぶボールもつなげるようになりましたし、ゲームの主導権を握る時間帯もあったとおもいます。来シーズン更にアグレミーナに残る選手たちが奮起してくれることを期待して、終わりとさせていただきたいと思います。
Q.終わったばかりで恐縮ですが、監督問題も含め来期の構想など、お話できる範囲でお願いします。
A.元々次の監督が来るということで、それに向けて僕はサポートする予定だったのですが、それまでの間、Fリーグは代行が認められていないので、ライセンスを持っている僕が監督を行うことになりまして、僕は、地域のためには一人の素晴らしい選手を呼ぶよりも、素晴らしい指導者を呼ぶことが静岡のチーム全体の底上げになるのではないかと思い、クラブに求めていたが、残念ながら上手くいかなく、最後まで僕ということになってしまいました。しかし、当然クラブを立ち上げたものとしての責任もありますし、アグレミーナ浜松が具体的にこういうフットサルがしたいんだというベースを作らなければならないという仕事は、当然僕にありましたので、まずベース作り、そこから少しづつ次の段階へという風に思っていたのですが、僕にはベースを作る力しかありませんでした。それが現状です。僕も当然経験ないですし、ただそれを言い訳にするつもりもないです。3月の全日本選手権は監督として続くと思いますから、それまでに自分自身の頭を整理して更にレベルアップするためにはどうすれば良いのかなど、修正して、次の人が決まれば次につなげることになるでしょうし、クラブが良くなることに対してこれからもバックアップしたいと思っています。
Q.1年間監督をやられてきて、手応えなどはどのように感じたか?
A.最初は全く資質が違うと思いました。私が外から見ていたFリーグとコートに立って見るFリーグというのが全く違ったので、それに相応しいフットサルをしなければいけないということで、色々な方の協力を得て、例えばフィジカルコーチやJリーグの監督経験者たちから色々なアドバイスを得たり、日本のトップに相応しい選手に近づけなければならない、その中で日本代表に選ばれるような選手たちを作らなければならないと考えたときに、戦術を縛るのではなく、認知・判断・実行ということが自分自身でゲームの中で行えるような選手を作らなければいけないと思いました。その中でフィジカルも大事ですし、今の現状を戦いながらその次のビジョンだとかと言うことも含めた中でトレーニングをしていかなければならなかった。終盤になってきて思ったのは、5年の差をどうやって埋めるのか、少ない時間の中でどう埋めるのか、ということを頭の中に入れてきて、その5年が、3年とか2年くらいまで縮まったかなと思いました。でも結果、(サッカー大国)浜松という名前を背負っている以上、勝たなきゃいけないですし、その皆さんの見ている目というのは、我々はプロクラブだと思われているので、それに相応しい人間・人格も含めて選手になって欲しいなと思っていました。だいぶ、そういったレベルの選手たちにはなってきていると思いますが、まだまだ足りない部分はありますし、そこに本人たちがどの程度気づいて、どれだけ変えられるか、ということがもう一ランク上がるところではないかと思います。
府中:伊藤監督
プレーオフに行けて良かったと思います。難しい試合になると思っていましたが、その中で、しっかり慌てずに引っくり返して乗り切ったな、と思います。
プレーオフは大阪との対戦になりますが、相手のやり方というか、相手の勝ちパターンに持っていかれないようにしたい。非常にディフェンスの安定しているチームなので、相手のリズムになってしまうと、自分たちを苦しめると思うので、相手の良い所を消して、自分たちの良い所を出して行きたいと思います。
Q.前半、決定機を決められずリードを許し焦れる展開だったが、そのときどんな気持ちだったか?また、ハーフタイムでどのような支持を出したか?
A.前半はチャンスは多分うちの方が多かったと思うが入らなかった。でも、これが最終戦なのか、というか、プレッシャーなのかと思っていましたし、僕はいつもそうですが、選手たちを信じていました。
ハーフタイムには、このまま続けることと、相手の攻撃の形、4番(石野)と10番(オマー ニージャーリ)に当ててくる形と、カウンター、これに対して自分たちがしっかり対応しようという話をして送り出しました。
Q.苦しい第3クールになったが、第2クールまでの良い流れから終盤で苦しむことになった要因は何か?
A.一つは、これが3位になったことのないチーム。自分もクラブ全体も、今まで行った事のない領域に突入していくということがあったのではないかと思います。ただ、ここで苦しんだことが糧になって、来年プレーオフ争いになったときに「去年3位になって良かったな」と思えるかと。もしかしたら今年は例えば2-2のスコアに追いつかれたときに、無理にでも抉じ開けに行って試合を失っていたが、これは引き分けでも良いのではないかとか、そういう選択肢もチーム全体財産として持てるのではないかと思います。その他の要因もあると思いますが、終盤苦しんだのは3位というプレッシャーかなと思っています。
Q.星龍太はプレーオフに間に合いそうか?
A.厳しいと思います。
Q.フィクソとして欠けるのは厳しいですね。
A.きついですが、逆に、それでチャンスを掴む選手もいると思うし、龍太がいなくてもディフェンスのやり方は変わらないと思う。ただ、点を入れられたときに跳ね返す力は少し落ちてしまうかもしれないが、そこに関しては、無いものを嘆くより、今いる選手たちが最大限の力を発揮するように、チーム全体で望んで行きたい。
Q.プレーオフでもブラジル人中心に打ちまくる戦い方になるのか?
A.リーグ戦と違って勝点を争うわけではないので、比較的、全日本選手権に近い、ノックアウト方式に近い、言ってしまえば後ろにスペースを与えない戦い方というのがセオリーかなと思う。僕も、プレーオフというのは戦ったことが無いので、選手と話をしながらどういう戦い方が適しているのか、一番良いところを作り、選手たちの力を引き出して、短期決戦なので、頑張ります。
Q,まだプレーオフや選手権が残っているが、監督として1年間良い仕事が出来たか?
A.それは、評価するのは僕ではなく周りです。今年1年間目標達成するために、最低限のことは努力してきたつもりですし、もっともっと勝ちたいという気持ちが強いです。
同時刻に行われた浦安vs神戸戦のレポートははこちらです。
これにて今期のFリーグ、リーグ戦は終了いたしました。この試合の公式記録はこちらです。
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写真・記事:大関朋美
順位 | チーム | 勝点 | 得失 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 名古屋 オーシャンズ |
30 | +59 | ||
2 | バサジィ大分 | 26 | +34 | ||
3 | フウガドール すみだ |
23 | +4 | ||
4 | 湘南ベルマーレ | 18 | +6 | ||
5 | バルドラール 浦安 |
18 | +1 | ||
6 | シュライカー 大阪 |
18 | -1 | ||
7 | ペスカドーラ 町田 |
18 | -3 | ||
8 | 立川府中 アスレティックFC |
16 | +1 | ||
9 | ヴォスクオーレ 仙台 |
10 | -17 | ||
10 | Fリーグ選抜 | 7 | -21 | ||
11 | エスポラーダ 北海道 |
6 | -21 | ||
12 | ボアルース長野 | 1 | -42 |
2019年第11節終了時